(A)この手料理、とてもおいしいんだけど、ちょっと一味足りないよね。
(B)この手料理、ちょっと一味足りないんだけど、とてもおいしいよね。
この(A)と(B)の文章は「ちょっと一味足りない料理」と「おいしい料理」を
表現していますが聞き比べてみると(A)はおいしくない印象を受け、
(B)はおいしい印象を受けます。
逆接の接続詞、ButにはButの直前のフレーズを打ち消し、
Butの後にくるフレーズを強調するという作用があります。
つまり(A)はおいしい手料理を打ち消し、一味足りない手料理を強調してしまう・・・
(B)は一味足りない手料理を打ち消し、おいしい手料理を強調する。
そして今回紹介するのは
Butの魔法♪
それは
いきなりButで文章を始める
ということ
でも、この手料理おいしいよね。
(印象が変わるため、今日はあえて絵文字を使いません。)
何に対してButかよくわかりません(笑)
文法上はムチャクチャです(笑)
しかし、いつも綺麗だよね。
だけど、オシャレだよね。
おもしろいことにButの後のフレーズが強調されるのです。
私は
何に対してのButかよくわからないけど、何か他のものを打ち消して
Butの後のフレーズを強調しているのではないか
と思います
そして気をつけたいのが
Butの罠・・・
よく叱るときや注意するときは
相手を全否定するのではなく、
良いところも見てあげましょう
という教えがあります。
(A)キミが資格試験の勉強で夜遅くまで頑張っているのはわかっているよ。
でも、遅刻をしたら他の人に迷惑がかかるだろ!気をつけろよ!
(B)遅刻したら他の人に迷惑がかかるだろ!気をつけろよ!
でも、キミが資格試験の勉強で夜遅くまで頑張っているのはわかっているよ。
これがButの罠・・
相手を全否定するのではなく、良いところも見てあげるとなったときに
どうしても相手の良いところを先に言いたくなる。
まず、相手を受け入れる。肯定する。理解する。
そしてその後に叱るべき注意すべき言いたいことを言う
といった手順を踏んでしまうのですが、
Butの直前のフレーズは打ち消され、その後のフレーズが強調されてしまう。
先日の「理解からの共感」を学んだときによく陥る罠と思います。
(A)算数と理科が100点ってすごいね。よくやったね。でも、国語の60点をもっと頑張らなくちゃね。
(B)国語の60点をもっとがんばらなくちゃね。でも、算数と理科が100点ってすごいね。よくやったね。
子供に対するほめ方、注意の仕方。
そんなときにもButの罠に引っかからないように
しないといけない。
子供は本当に敏感です。
言い方だけで変わります。
来院する子供さんと接しているとよく感じます。
子供は素直に何でも受け入れるなぁと
Butの魔法とButの罠・・・
夢をみさせるコミュニケーション同様
これももろ刃の剣だと思います
上手い使い方をしたいものです。
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