夢をみさせるというコミュニケーション方法・・・
人をだますときによく用いられます。
例えば
「結婚したら、子供は2人で、4LDKの家がいいよね〜」
と結婚する気もない男が女性に話しかけるとします。
もし、女性が子供を2人欲しくて、4LDKの家で過ごすのが希望していたとき
女性は
「そうなったらいいなぁ。この人と一緒にいたらいいんだ・・」
となると思います。
残念ながら男性はさらさらそういうつもりはなく、ただ夢を見させるコミュニケーション
をとっただけだとしたら・・・
そういうのを許せないなぁ・・・
と思います。
このコミュニケーションのすごいところは
夢をみさせられた方も、自己決定をしているので、夢をみさせた方だけに
責任があるわけではないところです。
たとえばTVの通販番組
「この健康食品を一日○粒飲めば、膝に不安なく歩け・・・」
「ダイエットに効果的な○○!お使いになられた方はこんな感想をおっしゃっています」
膝に不安なく歩いておられる、高齢者の動画が流れ、
ダイエットに成功された方の体験談が動画で流れる。
そういった動画を見て
「ああ、私もそうなったらいいのになぁ・・・」
と夢をみて、購入したりする。
インターネットの情報商材
「借金が○○○万円あった私が1億円稼いだ理由」
「モテなかった私がモテモテになった方法」
売る側はいろいろと消費者に夢をみさせる
結婚にしても
膝痛にしても、
ダイエットにしても
借金返済にしても
モテないことにしても
悩んでおられる方にとっては切実な問題で、夢をみさせてもらうことで
「もしかしたら・・・」
「ひょっとしたら、これで・・・」
などと希望を持ってしまう・・・
そこにつけこんで、騙す方は騙す。
もちろんすべてがすべて悪徳商品ではないとは思いますが、そういう騙され方が多いのでは
と感じます。
私が夢をみさせるコミュニケーション方法を用いた方が良いと思う事例があります。
それは終末期医療におけるコミュニケーションです。
もう余命わずかとわかっている場合
「○○さんは○○という病気でもう何してもダメですからね・・・」
などと口が裂けてもいえません。
その人の希望も何もかも奪ってしまう言葉を発するのは酷すぎます。
そういうときに
「○○という薬があって、これはすごく期待できる薬で、だんだんと良くなっていきますよ」
たとえそれほど劇的な効果がなくても
患者さんに希望を与え、頑張ろうという元気を与えることができるのではないかなぁ
と思います。
以前の健康な状態の夢に向かって頑張れます。
最後を迎えるときにも
希望を持って、頑張って生き生きした最後を迎えるほうが良いと思います。
希望も持てず、死の宣告を受け、ただ悲しみの中、最後を迎えるよりかは良いと思います。
生きる希望を与えるための夢をみさせるコミュニケーションを
デイサービスの機能訓練(リハビリ)ではよく使います。
みなさん頑張ってくださいます。
もちろん希望を持って、頑張るほうが良い結果も出ます。
「身体が衰え、寝たきりになってしまうから、リハビリしましょう」
ではなく
「もっと元気に歩けるようになるから、頑張りましょう!」
と言うようにしています。
夢をみさせるコミュニケーション
諸刃の剣だと思います。
使い方次第で悪にも善にもなると思います。
本当に相手のことを想っての使い方をしたいものです。
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